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【アメリカ】330兆円のウェルネス旋風! アメリカ人がいま“買う健康”とは?

更新日:10月17日

2024年の米国ウェルネス市場は、推定2.21兆ドル(約330兆円/$1=¥150)へ。

パンデミックを分岐点に、「健康への自己投資」は日常の消費行動の中心へと定着しました。

結論から言えば、いまアメリカ人が“買っている健康”は、病院や薬ではなく——

〈美〉〈食〉〈運動〉〈栄養(サプリ)〉を軸にした“セルフケア × 自己投資型”ライフスタイル。


本稿では、米国ウェルネス市場の成長トレンド、セグメント別の内訳(ドル・円)、そして今後伸びる注目領域をコンパクトに読み解きます。




【アメリカのウェルネス市場の2034年までの成長予測(150円換算)】


アメリカのウェルネス市場は2024年時点で2.21兆ドル(約330兆円)となっており、2034年には3.7兆ドル(約555兆円)の市場規模が予測されています。

2025年以降はCAGR(年平均成長率)5.4%前後での推移予想される。


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※全数値は1ドル=150円換算で計算、一次資料のCAGRおよび推計式に準拠しています


参照:Precedence Research - Health and Wellness Market

   Global Wellness Institute - Statistics & Facts




【そもそもウェルネス市場とは?】


ウェルネス = 「健康を基盤とした自己投資産業」


位置づけ

医療・治療を目的とせず、個人が生活の質(QOL)の向上・健康維持・自己実現を目的に積極的に投資する、非医療型ヘルスケア消費領域。



目的

「病気を治す」のではなく、

“病気にならない”ための予防と

“より良く生きる”ための行動変容を支えること。



含まれないもの

医療・診療行為(治療、処方、投薬など)

公的保険適用を前提とする医療サービス

医薬品、医療機器など規制対象の製品



主な5つのカテゴリー

① パーソナルケア・美容

 スキンケア、ヘアケア、コスメなど、外見と衛生を整えるための日常消費。

 → 清潔感・自己肯定感・社会的印象の向上。


② 健康食品・サプリメント

 オーガニック食品、プロテイン、ビタミン、発酵食品など、“内側から整える”ための栄養補完。

 → コンディション維持、腸活・免疫・代謝サポート。


③ フィットネス・運動

 ジム、ヨガ、ピラティス、ランニング、ウェアラブルデバイスなど。

 → 身体活動の習慣化・データによる行動変容。


④ メンタルウェルネス

 瞑想、呼吸法、ストレスマネジメント、CBD(地域により)など、心の安定と集中を支援。

 → メンタルリセット、生産性・創造性の向上。


⑤ ウェルネス体験・ツーリズム

 スパ、リトリート、自然体験、健康志向の旅行など、環境・体験を通じた心身の再生。

 → 一時的な休息ではなく、ライフスタイル変革の契機。


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【2023年の市場規模でのセグメント分析とビジネス機会】


結論 = 主要5セグメントで市場の約78%を占有


2023年の米国ウェルネス市場(1.8兆ドル=約270兆円)は、運動・身体活動/パーソナルケア・美容/健康的な食・栄養・ダイエット/ウェルネス観光/予防・個別化医療・公衆衛生の上位5分野で約78%を構成。



狙いどころ = ビジネス機会の要点


●継続性 = サブスク/会員化で“やめにくい設計”

 定期便・会員特典・コミュニティ運営で継続率アップ。


●価格弾力性 = エビデンス+由来ストーリーでプレミアムを正当化

 臨床・機能データ、原料の産地/製法、第三者評価で価格抵抗を低減。


●需要創出 = データ連携で“買うべき瞬間”を提示

 ウェアラブル/食事ログ/睡眠データをCRMに統合し、

 行動トリガー(睡眠不足・活動量低下・摂取ギャップ)で適時提案。


●チャネル戦略 = D2Cで関係構築 → リテールで回転

 小売棚の最適化(面積・導線・クロス陳列)とプロモ(TPR/クーポン/試食)で

 回転率を確保。




【全体の約78%を占める、主要5セグメントの深堀り】


1. 運動・身体活動:50.8兆円市場 (18.7%)

キーワード: フィットネステック、ウェアラブル、パーソナルトレーニング


市場概況

ジムの会員権からヨガ、そしてApple Watchのようなスマートウェアラブルデバイスに至るまで、身体的な健康への投資は広範囲に及びます。特にミレニアル世代やZ世代のアクティブなライフスタイル志向が市場を牽引しています。


●ビジネス機会

 -デジタルフィットネス: オンデマンドのトレーニングアプリやバーチャルクラス。

 -スマートジム: AIを活用したパーソナライズドなトレーニング体験。

 -ヨガ・マインドフルネス市場: デジタルプラットフォームを通じたプログラム提供。



2. パーソナルケア・美容:46.5兆円市場 (17.1%)

キーワード: クリーンビューティ、アンチエイジング、メンズコスメ


市場概況: 美容は単なる見た目だけでなく、「健康な肌・髪」への投資へと進化。有害物質を排除したクリーンビューティや、健やかな加齢を目指すヘルシーエイジングがトレンドです。近年はメンズコスメ市場も急速に拡大しています。


ビジネス機会

 -D2Cスキンケア: 消費者に直接届ける個別化された製品。

 -個別化美容サービス: AI診断に基づくパーソナルな美容提案。

 -皮膚科技術: 科学的根拠に基づいた高機能製品やトリートメント。



3. 健康食・栄養・ダイエット:43.4兆円市場 (16.0%)

キーワード: サプリメント、機能性食品、パーソナライズド栄養


市場概況: 「食は体と心の基盤」という意識が浸透し、オーガニック、グルテンフリー、プラントベース(植物性)食品への需要が拡大。腸内環境を整えるプロバイオティクスや、特定の健康効果を追求する機能性食品が人気です。


ビジネス機会

 -プラントベース食品: 肉や乳製品の代替品市場。

 -栄養カウンセリング: 個々のニーズに合わせた専門サービス。

 -ダイエットアプリ: AIを活用した食事管理・行動変容サポート。



4. ウェルネス観光:38.9兆円市場 (14.3%)

キーワード: ヘルスツーリズム、リトリート、体験型旅行


市場概況: 旅行が心身のリフレッシュや自己発見の機会として捉えられ、ウェルネスリトリートや高級スパ体験、デジタルデトックスを目的とした自然の中での滞在など、体験価値を重視した健康志向の旅行が急増しています。


ビジネス機会

 -ウェルネスリゾート: 健康プログラムを統合した宿泊施設。

 -健康プログラム付き宿泊: 地域の特性を活かした体験型プラン。



5. 予防医療・個別化医療:33.3兆円市場 (12.3%)

キーワード: 遺伝子検査、早期診断、テレヘルス


市場概況: 病気になってから治療するのではなく、「未病」のうちにリスクを特定・予防する意識が浸透。遺伝子検査や詳細な定期検診を通じて自身の健康データを理解し、最適化する個別化医療への関心が高いです。


ビジネス機会

 -AI診断: 早期発見・予測を可能にする先進技術。

 -リモートモニタリング: 遠隔での健康管理・サポート。

 -個別化治療: 遺伝子情報などに基づいた最適な治療プラン提案。


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